多くの人はメリロの吹奏楽作品にしか触れたことがないんじゃないかと思います。しかし彼はグスタフ・マーラーの作品を聞いてこの業界に入ったくらいですから、オーケストラ作品も書いています。近年では映画音楽への道を切り開くなど、その活動は本当に多才です。ここでは吹奏楽から離れたメリロの作品をご紹介していきます。 |
映画音楽 -Film Score-
ジョン・ウィリアムズ、ジェリー・ゴールドスミスは映画音楽界の巨匠ですが、メリロもまた映画音楽界の巨匠の仲間入りをするべく、いくつかの映画音楽を生み出しました。メリロの映画音楽の特徴はシンフォニックな響きを保ちつつも、ロック色をも醸し出す現代音楽的作りとなっています。 |
CROSSING
the LINE (1995) USA クロッシング・ザ・ライン(1995年米) |
CROSSING the LINE Original Soundtrack Stephen Melillo
IGNA 1995... 全20トラック 71:44 (直筆サイン入り) |
キャスト・スタッフ不明 |
吹奏楽作品を聞いてきた方にとってこのアルバムを聞くと非常に度肝を抜かれることでしょう。全編ロック色で彩られているからです。1曲目に収録されている主題歌「Until You Find Your Love」はサラ・ブロークスという女性シンガーが熱唱しています。メリロってこんな曲まで書くんだ〜って実感させられた歌でもありました。このCDには「クロッシング・ザ・ライン」の他に、「GYPSY GIRL(ジプシー・ガール)」、「1201PM」という二つの映画音楽の一部も収録されています。中には12分もの「Final Confrontation(最終決戦)」という組曲も収録されていてメリロが初期の頃に書いた作品も入っています。メリロの意外な一面が聞けるレアなアルバム!! |
AURORA
(1998) USA オーロラ(1998年米) |
AURORA Original Soundtrack Stephen Melillo IGNA 1997... 全24トラック
65:43 (直筆サイン入り) |
監督:クリストファー・クリコフスキー 出演:クリストファー・ステイプルトン、マイケル・オーティス、デイヴィッド・ジーン・トーマス 他 |
この映画のストーリーはよく分からないのですが、SF映画ということは確か。数人の宇宙飛行士が出来てきます。(ジャケット裏を見ると・・・。)監督のクリコフスキーという人も良く知りませんが、メリロはこの人とのコラボレートが多いようです。(ティム・バートン監督とダニー・エルフマンのような関係)メリロが作曲した24の楽曲は全てシンフォニック(交響的)です。吹奏楽作品で見られたホルンの多様がここでも使われています。彼の作品の中に「ウェイト・オブ・ザ・ワールド」というのがありますが、これはこの映画の一部分から生まれたようです。何故ならばオーロラに登場するいくつかのモティーフの中にウェイト〜の終楽章冒頭のリズムがまんま登場するからです。そしてオーロラの方が先に作曲されているようですし。オーロラのメロディには非常に感情を揺さぶられるようなものが多く、ホロリときてしまう場面もあります(メリロがこの映画で中心に使っているピアノの音色が泣ける!)。メインテーマはホルンによって壮大に演奏されています。あぁ〜この映画を見てみたい!残念ながら日本未公開なので入手も困難です。このオーロラを3楽章にまとめた吹奏楽作品なら身近で手に入りますから、聞いてみたいと思った方は「STORMJOURNEYS」を購入しましょう! |
RETROGRADE (2004) USA レトログレード(2004年米) |
RETROGRADE Original Soundtrack Stephen Melillo IGNA
2004... 全26トラック 67:26 (直筆サイン入り) |
監督:クリストファー・クリコフスキー 出演:ドルフ・ラングレン(ユニヴァーサル・ソルジャーなど)、シルビア・デ・サンティス、ジョー・モンタナ 他 |
オーロラと同じくクリコフスキー監督と組んだアクション映画「RETROGRADE(レトログレード)」は主演にあの筋肉ムキムキのアクション・スター「ドルフ・ラングレン」を迎えています。これも日本未公開ですが、オーロラよりもDVD発売の可能性はありそうです。さて音楽ですが、メリロにメールでこの作品のことを伺って分かったことなんですが、どうやら吹奏楽の新作「時代」はこの映画音楽をアレンジして出来た曲だそうです。まだ「時代」という作品を聞いたことがないのでどこが「時代」なのか良く分かりませんが、大いに期待したいですね。映画音楽自体は、というと、オーロラとはまったく別ジャンルのシンフォニック・スコアでアクション映画なのにサスペンス的な雰囲気が大いに漂っているという感じを受けます。すでに発売済みの吹奏楽作品「MUSASHI」の一部分もあったりします。映画音楽に詳しい方が聞けば、ハンス・ジマーとハリー・グレッグソン・ウィリアムズが共同でサスペンス・スコアを書いた感じ。この作品から次々と新作が生み出されたかと思うと、これはメリロの映画音楽最新作にして記念すべき作品とでもいうべきでしょう。オーロラも聴き応えがありましたが、これも緊迫感溢れるスコアとして聴き応え満点です。 |
-オムニバス作品-
IN HOLY
DAYS (1976〜1999) 聖なる日に |
IN HOLY DAYS of Music to Celebrate Christmas &
Chanukuh Album S.Melillo IGNA 全17トラック 65:33 (直筆サイン入り) |
このアルバムは映画音楽ではなく、メリロがクリスマスの為に選び抜いた作品が収録されたオムニバス作品集です。サイレント・ナイトから始まり、最後に収録されている「UNSUNG」という歌で締めくくられます。中には「STORMWORKS Chapter 3」に収録された「天使の囁き」や今やコンクールや演奏会でも人気作品となった「プラトンの洞窟から脱出」の別バージョンも収録されていたりとこれも非常にレアなアルバムだといえるでしょう。 |