メリロの公式CD「STORMWORKS」とは関係なく発売されている、様々なアーティストたちが奏であげたメリロの作品の数々をここで紹介していきたいと思います。公式CDよりも先に発売された音源などもあり、公式CDしか知らない人たちにも分かりやすくコメントしていきたいと思います。他に同じ作品で多数の音源があるものに関しては聞きくらべ形式で紹介していきます。

演奏:文教大学吹奏楽部
 「MUSASHI」は、現時点では(2004年3月)公式CDは発表されておりません。しかしその公式より先に世界初録音となったのが、埼玉県が誇る大学の吹奏楽団体「文教大学吹奏楽部」の演奏です。先に日本初演した日本のプロ団体「東京佼成ウィンドオーケストラ」の演奏よりは若干劣るものの、初演を聞いた方、このCDで初めて知る方両方にピッタリのCDだと思います。自分は初演を聞きに行った者なので、少し迫力の無さにがっかりしましたが、聞いてみて、そのときの演奏会の模様が思い出され、懐かしさに浸りながらMUSASHIを改めて堪能しました。日本の宮本武蔵を題材にしてるはずが、曲は日本らしい音階を使って書かれていないところもメリロらしい考え方であると思いました。

 

演奏:東京佼成ウィンド・オーケストラ
 2003年10月17日、上野にある東京文化会館大ホールで常任指揮者であるダグラス・ボストックの下、東京佼成ウィンド・オーケストラの演奏でMUSASHIの日本初演は行われました。観客も満員に近い状態でプログラムの1曲目にこの曲は用意されていました。演奏のほうはやはりプロじゃないとこんなサウンドはでない、というような迫力満点なものでした。このときの他のプログラムは、「吹奏楽の為の木挽き歌」、組曲「惑星」といったプロでもハードなプログラムが組まれていました。会場には吹奏楽の為の木挽き歌を作曲された小山清茂氏も来ており、曲が終わった直後、観客の皆さんに挨拶をしていました。(なんと小山さんが座っていたのは自分の席の3列後ろでした)とてもいい演奏会でした。

 

演奏:船橋吹奏楽団
 僕の所属する市民吹奏楽団、船吹こと「船場吹奏楽団」が2005年12月18日に行われた創立50周年記念演奏会ファイナルと題された「第79回定期演奏会」でMUSASHIを取り上げました。まさかこの楽団でMUSASHIを演奏できるなんて思いもしなかったことなので、これに決まった時たいそう驚きました。僕はパーカッションパートの楽器係だったのでMUSASHIに使用される楽器を集めなければいけないという大仕事を任されました。船吹がMUSASHIに決める前に趣味の一環でフルスコアを買っておいたことが非常に助けになりました。スコアにはスティーブが細かく設定した舞台は一表がイラストで載せられており、尚且つパーカッションの詳細まで書いてありました。それを参考にネット検索を開始し、パーカッションのレンタル専門店に問い合わせて足りない楽器を借りるなど色々大変ではありましたが、よい勉強になりました。そして演奏面では作曲者自身とメールのやり取りをし「ここはどうやって音の表現をしたらよいか?」、「ここの楽器はないけど何か代わりになるものはないか?」など未熟な僕の非常に分かりにくい英語にも親身になって付き合ってくれ、様々なアドバイスを多岐に渡っていただくことが出来ました。そして無事に迎えることの出来た当日、ものすごい緊張感の中でMUSASHIの演奏は始まり、今までの中では一番の演奏だったと思えるような出来になったかと思います。今聞きなおしてみてもそう実感するしだいです。今までになくパーカッションパートはパート練習の時間をMUSASHIに費やし、この曲の完成度の高さに貢献できたのではないかと思います。そして他のパートもすさまじい緊張感の中で大曲を吹ききっていました。僕は演奏中、ずっと感動していました。早くスティーブに聞かせてあげたい。スティーブもきっと満足してくれるだろうと思っています。

 


管理人(シン)があちこちで聞いてきたこの作品の様々な演奏を紹介します。

演奏:大阪市音楽団 時間 5:43
 大阪市音楽団の定期演奏会からのライヴ録音CD。メイン曲は幻想交響曲。カップリングにはスパーク作曲のエンジェルズ・ゲートの日の出、そしてこのゴッドスピード!。大阪市音楽団のシンフォニックなゴッドスピード!が聞けるアルバムです。若干金管楽器は抑え目なのに対し、逆に木管楽器が非常に華やかな演奏です。テンポは少し速め。
演奏:近畿大学吹奏楽部 時間 5:48
 近畿大学吹奏楽部の定期演奏会で演奏されました。今まで近畿大のサウンドは非常に煌びやかだったのですが、今回のこの演奏はややおとなしめでした。アマチュアにしてはかなり上手い部類に入ると思うのですがね・・・。
演奏:土気シビックウィンド・オーケストラ 時間 6:06
 2000年度吹奏楽コンクール全国大会で金賞を取ると同時に、この作品を日本中に広めるきっかけとなった演奏でもあります。金管楽器は強烈、そして全体のテンポは速めと思わせておいて、中間部ではゆったりと聞かせています。アマチュアとは思えない演奏。東京佼成もここまでド派手な演奏は出来ないんじゃないかな。
演奏:土気シビックウィンド・オーケストラ 時間 6:15
 コンクールで一躍有名になった後、本格的に録音したのがこの演奏。コンクール版より少しだけ控えめな演奏になったかなと思ってしまいます。余分なところが切り落とされた綺麗な演奏に仕上がっています。今のところ発売されているアマチュアによるゴッドスピード!のCDを買うのならこの演奏を先ずお勧めします。(このCD買ったら、他がいらなくなるかも・・・。)
演奏:大江戸ウィンド・オーケストラ 時間 6:02
 発売数日でクレームがいっぱい殺到した、日本を代表するジャズ・プレイヤーで結成された吹奏楽団、大江戸ウィンド・オーケストラのライヴCDに収録された演奏です。何故クレームついたかといえば演奏を聞いてもらえれば分からんですが、プロのくせにド下手という事です。冒頭の金管ファンファーレなんていきなり外すし、打楽器軍団もミスりまくってるし、中間部のイングリッシュホルンでさえも息が続かなくなって、音が途切れる状態に陥る・・・、こんな演奏ははっきり言ってプロじゃないです。ただ、日頃滅多に吹奏楽を演奏しないジャズ・プレイヤーの珍しい演奏と思えば楽しめますよ。彼らはオリジナル曲じゃなく、ポップス及び本業のジャズをやったほうがいいです。
演奏:アメリカ海軍バンド 時間 6:52
 遅い!これほどまでに遅い演奏は聞いたことがないと言うくらい演奏時間がやけに長い録音です。演奏のほうはアメリカ海軍の演奏に聞こえないです。どこかのアマチュアの演奏みたいです。なぜならば上手ではないと言う事です。海軍と言う表記は肩書きだけで、本当はバッタもんCD(ありもしない団体や指揮者を作って商品化したCD)だったりするのかなぁ・・・。なんだかねちっこいゴッドスピード!です。
演奏:アメリカ空軍バンド 時間 5:43
 こちらはうって変わって速い。しかしこちらも空軍に聞こえない・・。演奏はズレズレだし、ところどころ間違えるし、輸入物は信用ならん・・・。アメリカ空軍の演奏にしては軽すぎる演奏だと思いました。
演奏:三条市吹奏楽団 時間 5:44
 新潟県の三条市吹奏楽団のコンクール時の演奏です。金管よりも木管楽器が前面に押し出された演奏になっています。中間部へ入ったとき直後にクラリネットの「ピー」は笑えましたが、他の場面は何とか上手くいってます。派手な金管楽器は好きじゃないって言う人にお勧めな演奏。
演奏:創価グロリア吹奏楽団 時間 6:16
 アメリカ海軍の次に遅い演奏だが、こちらのほうがはるかに上手い!冒頭からトロンボーンは炸裂し、打楽器軍もぶっ飛んでいます。↑の演奏とは逆の金管楽器前面の演奏と言えるでしょう。中間部も見事!美しいです。この演奏も創価グロリアの定期演奏会からの録音です。指揮は佐川聖二です。
演奏:グラール・ウィンド・オーケストラ 時間 5:49
 名前からして海外の吹奏楽団かと思いきや、神奈川県にあるアマチュアの吹奏楽団です。なかなか派手な演奏ですが↑にはかないません。中間部はゆったりとイングリッシュホルンが歌います。木管楽器も鮮やかです。指揮は↑と同じ佐川聖二。創価グロリアとこの演奏の聞きくらべも面白いものです。同じ指揮者でもここまで違うのかと思うくらいに。テンポも若干速め。
演奏:HCJCバンド 時間 6:10
 シンガポールを代表する、Hwa Chong Junior College Bandの演奏です。演奏は冒頭から音が割れるくらいの爆音です。しかも演奏はへたくそです。プレイヤー全員が本当に指揮者を見てるのかと思いたくなるようです。全員、テンポをまもってない・・・。ティンパニなんて本当に爆音と言う以外の何ものでもない・・・。こういう演奏もたまにはいいか・・・。
演奏:広島大学吹奏楽団 時間 5:34
 冒頭から猛スピード名演奏をしてくれるのは、広島大学の皆さん。アマチュア演奏家の録音の中では一番速いと思われます。演奏は録音の所為か控えめだが、逆に中間部はゆっくりとテンポを取り、十分に聞かせています。この中間部が終わるとまたまた猛スピード化するゴッドスピード!なのでした。
演奏:聖カタリナ学園光が丘女子高等学校吹奏楽部 時間 5:23
 管理人の出生地、愛知県を代表する高校、光が丘女子高の演奏。本当に全員女性の演奏なのかと疑ってしまう。確かに男性より力がない演奏かなと思うが、上手い事にこしたことは無い。ホルンがあんまり聞こえないのが痛いが・・。この録音は定期演奏会からの模様です。
演奏:アルス・ノヴァ・ウィンド・オーケストラ 時間 約6分
 2002年3月3日に埼玉県さいたま市与野区にある、彩の国さいたま芸術劇場で行われたアルス・ノヴァの定期演奏会の冒頭で演奏されました。自分は後に演奏する予定だったこの曲を参考に聞いてみようと演奏会に行った訳でした。お客さんはかなり入ってました。演奏の方はと言うと、若干テンポは速めだった気がします。自分にとっては非常に衝撃的な演奏だったと言う事しか記憶に残っていません。とにかくこの作品を知るうえでとても重要な演奏だったことには間違いありません。
演奏:淑徳大学吹奏楽団 時間 5:41
 ↑を聞いた12日後に演奏した自分の演奏です。収録時間は若干速めと思うかもしれませんが、これはただ中間部が速いだけであって、冒頭からは気の遠くなるような遅さです。演奏も乱れ、ホルンはなんと2人でやりました。中間部はイングリッシュホルン奏者がいなかったため、アルト・サキソフォンで代用しました。伴奏のハープもピアノに代用。でも少人数でよくこの曲ができたなぁって思います。

 


演奏:東京佼成ウィンド・オーケストラ
 ダグラス・ボストックが東京佼成の常任指揮者となってから行われた演奏会からのライヴ録音。Wait of the Worldなんて公式CD以外出ないだろうと思っていましたが、佼成が出したときには驚きましたね。いざ、聞いてみると公式盤よりテンポアップしてる。金管も速いパッセージを吹きこなしている。とまぁ、初め通しで聞いたときはこう思ったのですが、二度目は大好きなミス探し。するとミスがあるある、あるある!いくら速く演奏したからってプロなんだからミスはしちゃいかんよ。上手い事は上手いんですが、やっぱり公式のオランダ海軍には勝てなかったのでした。でもボストックと佼成のメリロは好きです。これからが期待大です。
演奏:アテネオ・ミュージカル・クレラ(未発売) 【試聴

 聞きなれない楽団ですが、これはスペインにある楽団であるそうです。屋外ステージでの生演奏のラストにこの曲は演奏されました。↑の東京佼成をお聞きになった方がこの演奏を聞くと、非常に遅い演奏と100%思うでしょう。第1楽章が始まった瞬間に凄まじい遅さを体験することになるでしょう。しかし遅い分だけ丁寧。他の演奏が速くて細部まで良く聞き取れなくて困った人には最適な演奏だと言えるでしょう。第1楽章から終楽章までホルンはバリバリ鳴らします。終楽章は必見です。観客もワクワクしながら演奏を聞いているのだと思います。曲の途中で口笛が入ったり、少々歓声が入ったりしてますから。終楽章はラストのティンパニのロールが決まる前に観客の拍手が入ってきます。そして曲が終わった瞬間、ものすごい叫びが会場にこだまします。これぞライヴの熱狂感が豪快に味わえる演奏だと思います。私としてはかなりオススメです。

 



演奏:土気シビック・ウィンドオーケストラ
 千葉県の土気シビックがゴッドスピード!のカップリングとして収録した本作。メリロ氏本人から感激の手紙が届くほどの素晴らしい演奏を繰り広げています。メリロ氏本人の演奏よりもテンポは遅め、2楽章は優雅に歌います。3楽章もまずは普通のテンポで開始され、後にコーダへ入るとテンポがものすごく遅くなり、金管の重厚なファンファーレが鳴り響いて曲は終わります。ここの団体、メリロの曲に関してはとても優秀!

 

演奏:IUPウィンド・アンサンブル
 アメリカのIUPウィンドの演奏です。指揮は作曲家ジャック・スタンプ。いまいちアンサンブルが良くない演奏でした。↑の演奏とか公式盤とか聞いた後に絶対聞くもんじゃないです。そこまでヘタとは言いませんが、もうちょっと上手くまとめてほしかったです。