1876年にイギリスで生まれた、ハヴァーガル・ウィリアム・ブライアンはホルストやヴォーン・ウィリアムズと同世代の作曲家。その二人よりも長生きし96歳まで生きた。交響曲をなんと32曲も書いた。それよりもすごいのは80歳を過ぎてから21曲もの交響曲を書いたことだ。死ぬまでの16年間に生み出された。こんなにもたくさんの曲を書いておきながら録音は微々たるもの。もっともっと世に出ても良いのではないかと思う作曲家である。

 

交響曲第1番「ゴシック(様式)」
★★★★★
管弦楽:スロヴァキア・フィル、スロヴァキア放送響、別働隊ブラスバンド(4団体)、6つの合唱団、4人の独唱者
指 揮:オンドレイ・レナールト
 ギネスブックに載っている世界最大交響曲です。 交響曲第1番「ゴシック(様式)」は全6楽章、115分という大曲です。 演奏者もものすごい数です。
【演奏者詳細】
・4人の独唱者
・6つの合唱団
・4つの別働隊ブラスバンド
・二つのオーケストラ
内訳:(木管32人、金管24<ホルン10、トランペット6、トロンボーン6、チューバ2>、ティンパニ2、パーカッション17、オルガン、弦5部)・・・パーカッションが17人・・・。吹奏楽でもこんなに使わんだろう・・・。
計400〜450名。内訳:(合唱団200、オケ200、その他出演者50)

1回通して聞いた率直な感想は、第9+復活+ミサ曲=ゴシック
というような感じでした。
2回目を聞くと、後半の「テ・デウム」と題された3つの楽章は完璧なる宗教曲。
前半の合唱無しの器楽楽章は、マーラー+ワーグナー(壮大さ)+現代音楽意味不明さ=ゴシック
というイメージです。
より複雑になったマーラーの復活ってところでしょうか。

聞けば聞くほどこの巨大な音楽へ引き込まれていきます。
とりあえずマーラーの復活好きは絶対聞いてください!!
あとはレクイエム系が好きな人!
地の底から天に昇っていくような合唱にはホント鳥肌が立ちました。
言葉は分からなくとも、何か心に残るものがあります。
これは本当にイチオシです。
こんなにすばらしい曲がまだまだ埋もれていたなんて!!
ブライアンの他の作品も聞いてみたいですが、この作品以下だったらがっかりでしょうな・・・。

ブライアンのほかの作品にはホルン奏者が24人も必要とするアホな設定のものもあります。
これも近々聞いてみたいものです。(My Blogより引用)

 

 

交響曲第3番
★★★
管弦楽:BBC交響楽団
指 揮:ライオネル・フレンド
 交響曲第1番「ゴシック」を購入し、ブライアンのその良さに惹かれた僕は新たにこの第3番を購入しました。第3番は第1番よりも規模は小さいですが、二人の奏者によるピアノが登場します。バーンスタインの交響曲第2番を聞いている雰囲気です。それか交響曲風のピアノ協奏曲といったところでしょうか。構成は全4楽章。最終楽章はレント。静かに終わります。どうやらこの形式はブライアンの特徴でもあるみたいですね。ゴシックがそうだったように。さて第3番ですが作風はまるでゴシックです。映画音楽風の主題と各楽章が細かく分けられてるところなんか。第1楽章は非常に重々しい雰囲気の中始まります。ピアノはすぐ登場しオケと絡み合っていきます。しかし残念なことにこれといった面白い主題がないのがゴシックにそっくりな点です。めまぐるしく様々な主題が出てきます。第2楽章は終楽章と同じでレント。レント多すぎ!約15分間のレントが続きます。この作品の唯一の救いである第3楽章はスピーディな楽章です。割と楽しく割と分かりやすく・・・。中間部では弦楽器と木管のさえずりが聞こえ、暗かった交響曲に明るい日差しが照らし出すようです。終楽章は冒頭で述べたとおりのレント。しかし第2楽章ほどの暗さではなく、ホントの最後でまたもや光が出てきて、救いの手が差し伸べられます。映画音楽風ラストみたいな感じで締めくくられて作品は終わるわけですが、全体的に何が言いたいのか良く分からない交響曲です。テーマが出すぎて印象に残りません。でもこれがブライアンの特徴だとすれば慣れるほかなさそうです。ブルックナーと同じか・・・。ブルックナーも似たような作風の交響曲を書いていますしね。演奏の方はBBC響なので全く問題はないです。ふ〜む。ゴシックにハマったからといってこちらの作品にハマるかといえば、そうでもないですね。僕みたいに追求型の人間が聴くべき音楽ですよ。