ハワード・ショア、ベテランと言われながら今まで不運にも大作にめぐり合えなかった男。
しかしこの男の挑戦が彼の人生を変えました。
「ロード・オブ・ザ・リング・トリロジー」の全作曲です。
この大作に全パワーを注ぎ込みました。映画音楽家25年の彼の最も輝いた作品です。

ここでは、ハワード・ショアの「ロード・オブ・ザ・リング」の音楽について
載せることにします。


私が自信を持ってお勧めする作品の数々です。評価は「★」の数が多いほど高いです。5つが最高。

ロード・オブ・ザ・リング -旅の仲間-(2002) ★★★★★
演奏:ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団&ニュージーランド交響楽団 指揮:ハワード・ショア

 ニュージーランドの監督:ピーター・ジャクソンが今まで製作は不可能と言われ続けてきたものを可能にしました。その作品がJ・K・トールキンが書いたファンタジー「Lord of the Rings(指輪物語)」です。原作は長大で巻数も9巻あります。その大作を見事にまとめ作り上げました。そして音楽を担当しているのが、ハワード・ショア。彼はこの映画に異様なまでの意気込みを見せています。いままでサスペンスやホラーしか書いていない彼にとってファンタジーなんて書けるのだろうかという不安があったそうです。ショアは幾度となく原作を読み漁り、イメージを高めていったと言われています。3部作構成の映画の為に作られた音楽は約9時間となりました。一つの作品に約3時間ですから、さぞかし大変な仕事になったのでしょう。

 まずはこの第1作目の音楽を紹介することにいたしましょう。まず見事な演奏者から。今回この旅の仲間だけ二つのオーケストラを使っています。監督の母国、ニュージーランド交響楽団とイギリスの名門、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団です。合同オケという事ですから100人は余裕で越えているのでしょう、凄い編成ですね。あとはロンドン・ヴォイセスと言われるイギリス名門の合唱団。そして指揮には作曲者本人があたっています。

 曲は全部で18曲あり、シンフォニック的楽章(オーケストラや合唱の)は17曲、最後に収録されているのはエンヤが歌う主題歌。ここで主にシンフォニック的楽章を取り上げます。映画の冒頭、指輪の歴史について語られる場面から曲は始まっていきます。弦楽器のトレモロと合唱のうなり声みたいなものがいいバランスで聞こえてきます。やがてホビット族の村の音楽が聞こえてきますが、この曲のメインテーマをホイッスルが奏でているんですね。一瞬、ケルト音楽的味わいが感じられることでしょう。どの楽章も合唱を効果的に取り入れています。かなり使い方が上手いです。合唱を使うことによって神秘的になるところも魅力的です。「ロード・オブ・ザ・リング」のメインテーマも様々な楽章で登場します。登場の仕方は様々ですが、多いのは金管楽器(ホルンのヴァリエーションとトロンボーンなど低音楽器のヴァリエーション)が奏でることでしょう。映画音楽って一言では言えない!これはもうオペラですね!

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ロード・オブ・ザ・リング -二つの塔-(2003) ★★★★★
演奏:ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 指揮:ハワード・ショア

 第1作目であれほどまでに驚異的な音楽を作り出しショアが、この第2作目でもやってくれました。第1作目を超えるほどの大作になってしまいました。

 では演奏者が凄いの何の!合唱に第1作目でおなじみのロンドン・ヴォイセス。そして新たにオラトリオ少年合唱団が加わりました。本作にはハーディンガーというノルウェーのフィドルが登場します。これを演奏しているのが名手ダーモット・クレハン。ライタと言う楽器にヤン・ヘンドリックス。そしてオーケストラにはロンドン・フィルハーモニー管弦楽団とそうそうたるメンバー。指揮はもちろん作曲者本人。このアーティストたちによって第2作目は構成されています。

 本作の音楽は前作のオペラ的趣向を引き継いだかなりロマンティックな作品になっています。旅の核となる話がこの第2作ですから、音楽も当然3部作の核となってくるわけです。とにかく熱い!でも悲しい場面、別れの音楽などはしみじみとした気分にさせてくれます。後半見所の戦いのシーンの音楽は今までも音楽を覆すような大スペクタクル!戦士たちが仲間と協力しながら敵を倒す場面にはぴったりの大音楽です。民族楽器、ハーディンガーやライタの登場も感動誘います。ショアが前作で学んだファンタジー音楽作りの手法をこの第2作目で完璧に使いこなしています。圧巻です。

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ロード・オブ・ザ・リング -王の帰還-(2004) ★★★★★
演奏:ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 指揮:ハワード・ショア
未購入なので、購入しましたら書きます。
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Lord of the Rings Symphony(20XX)
 
 ハワード・ショアが作曲した第3部作構成の音楽を交響曲にしたのが本作。噂では演奏時間が約6時間になるといいます。初演は2003年冬に行われたそうですが、レコーディングはまだ未定。詳しいことが分かりましたら、当サイトでも紹介していきたいと思っています。
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