大栗裕は1918年大阪に生まれ、天王寺商業学校(現天王寺商業高校)卒業後、
ホルン奏者として東京交響楽団(現東京フィル)に入団します。
その後、日本交響楽団(現在のNHK交響楽団)を経て、
関西交響楽団(現在の大阪フィルハーモニー交響楽団)に入団します。
そこで朝比奈隆の下でホルン奏者を務める傍ら、独学で作曲を学びながら
数々の作品を生み出していったのです。


 

ジャパニーズ・バンド・ミュージックW 「大栗裕作品集」
演奏:大阪市音楽団 指揮:木村吉宏、朝比奈隆
 このCDは大学1年のとき、定期演奏会で大栗裕の「吹奏楽の為の神話」を演奏すると言うので購入しました。初めて聞いたときは「なんて堅苦しい音楽ばっかりなんだろう」、と思ったわけですが、何度も聞いていくうちに大栗裕の音楽の深さにどっぷりとはまってしまったのでした。それまで私は日本の音楽については全くと言って良いほど興味がなかったのですが、この大栗裕をきっかけに日本の吹奏楽&管弦楽を探しまくる日々が始まったのです。このアルバムの中では自分も演奏した「吹奏楽の為の神話」が一番好きなのですが、他にも有名な「大阪俗謡による幻想曲」や「仮面幻想」も素敵です。今さらこんなこというのは遅いと言われるかもしれませんね。もっと早く大栗裕に出会っていたかったなぁ。演奏は本場大阪の文句なしの演奏。大栗裕の親友だった朝比奈隆も2曲ほど指揮をしています。やっぱりベテラン、そして親友の朝比奈隆のタクトは素晴らしい解釈だと思いました。

 

日本作曲家選集V ヴァイオリン協奏曲、管弦楽の為の神話 「大栗裕作品集」
演奏:大阪フィルハーモニー交響楽団 指揮:下野竜也
 「クラシックの神様、ナクソス・レーベル」から発売になった大栗裕の管弦楽曲集。真っ先に発売日前日に買いに行きました。凄くほしくてほしくてたまらなかった1枚です。一番聞きたかったのはもちろん「管弦楽の為の神話」です。吹奏楽版がどのようにオーケストラで料理されているのか、ワクワクしながら聞いたものです。聞いた感想はとてもシンフォニックな仕上がりだな、と思いました。弦楽器の厚みが何とも言えない。自分は打楽器奏者ですから、打楽器も重視して聞いてしまうのですけど、凄くよかった!ティンパニの硬い音が凄く!ホルンも上手いし、文句なし!メインの「ヴァイオリン協奏曲」は東洋のバルトークと言われた理由が分かる様な作品。何となくバルトーク的。ヴァイオリンと民謡風メロディが実にマッチしていました。お祭り気分のコンチェルトです。あとは「大阪俗謡による幻想曲」の管弦楽版ですが、これも弦が入ることにより生まれる重厚感がとてもよかったです。さすがナクソス・レーベル!とても良い1枚ですぞ!