1839年にドイツのヴォルムスで生まれた、フリードリッヒ・ゲルンスハイムは自分の作品よりも惚れ込んだブラームスの作品を世に知らしめるために活躍した指揮者兼作曲家で彼を知っている者は「ポスト・ブラームス」と呼ぶ。その彼が作曲した作品は結構な数が存在しているのだが、とりわけ中でも聞きやすく、非常に良い出来である交響曲全4曲は特に評価するべきであろう。

 

交響曲第1番、第2番、第3番「ミリヤム」、第4番
管弦楽:ラインラント・プファルツ国立フィルハーモニー管弦楽団
指 揮:ジークフリート・ケーラー
★★★★★
 お勧めはブラームスと同じ数を残した4つの交響曲。 どれもすべてが濃厚な味わい。 ブラームスの作品を指揮してきた甲斐があって、彼から色々な手法を盗んだようです。 盗んだというのは失礼か・・・・。ホントあちらこちらにブラームスの面影が浮かび上がっている作品です。

で、交響曲第1番が一番良いです。ブラームスよりは軽いんですが、なんとも面白く、そして心に残るメロディがしっかりとあるから。しっかり第1番が作られているのに、何故かこれに続く2〜4の交響曲は第1ほどの魅力を感じないんですよねぇ。でもつまらないわけではなく、個々の魅力はありますから、それぞれの感動は十分に得られます。ブラームスの作品がとっつきにくいという方は特にゲルンスハイムから聞くと良いかもしれません。(My Blogから引用)

 さてこんな素晴らしい作品の演奏を行っているのは良く分からないやたら長い名前のオーケストラ。指揮は昔、バッタもんCDコーナーで名を連ねていたケーラー。でもこの人は実在しているのでバッタもん指揮者ではないようです。CDジャケットの裏にはしっかり顔写真が載っているので・・・。無名のオケと言えども侮れません。非常にしっかりとした音作りです。う〜ん、聞けば聞くほどブラームスにそっくりなサウンドとしか言いようがないですね。こんなにも美しい交響曲が埋もれていたなんて非常にかわいそうです。聞き比べもしたいのですが、残念ながらゲルンスハイム作品集はこのケーラー版しか出ていないようです。このCDは2枚組で非常に安いのでブラームスが好きな方は絶対買うことをお勧めします。