1813年アメリカのフィラデルフィア生まれ、1864年サンタクルーズで没したアメリカの隠れた偉大な作曲家、ウィリアム・ヘンリー・フライ。フライは兄弟で書いた台本を元にし、曲を付けたオペラ「リオノーラ」が有名。オペラ以外にもいくつか交響曲や管弦楽を書いていますが、ほとんど埋もれたままです。アメリカクラシック界の基礎を築いた一人としてもっと愛されても良いと思います。

 

クリスマス交響曲「サンタクロース」
 とことん分かりやすく、そして楽しい交響曲がこのサンタクロース交響曲でしょう。楽しいイヴの夜のパーティーからサンタクロースが訪問するまでの出来事を音楽絵巻として見事に再現しています。子供の時にクリスマスを楽しみにしていた頃を思い出すような作品です。曲の途中に登場するバスーン・ソロがサンタクロースのテーマを表しています。サンタさんは吹雪の中、パーティを終えた子供たちの家に向かいます。その描写を弦楽器のグリッサンドで上手く表現されています。クライマックスはサンタさんが子供たちにプレゼントを渡し、遠ざかっていく風景を鈴が鳴り響くなか幕を下ろすのです。

 

交響曲「ナイアガラ」
 ナイアガラの滝をモチーフにした作品がこれです。この曲の凄いところは何と、ティンパニ11台を使った滝の流れる音を表現した部分です。凄まじい滝の醍醐味を11台のティンパニが見事に奏でてくれます。フライが最も得意とした表現力がここでも生かされています。
参考音源:トニー・ロウ指揮 & ロイヤル・スコティッシュ管弦楽団
他の収録曲:「ザ・ブレイキング・ハート」、序曲「マクベス」 (ヘンリー・フライ管弦楽曲集より)