イギリスを代表する作曲家の一人であるナイジェル・クラークは、ロイヤル・アカデミーでポール・パッターソンに作曲を師事しました。在学中はダンスとドラマの為の音楽を書き、また香港にある芸術学院で1年間過ごしました。イギリスに戻ってからは、自分が作曲を学んだロイヤル・アカデミーの専任講師等を勤める傍ら、作曲活動も積極的に行ってきました。1995年には日本で行われたWASBEの総会に賛同し、彼の代表作でもある「サムライ」が初演され、大成功を収めました。それからと言うもの、ナイジェル・クラークは、イギリスを代表する作曲家へと上り詰めていきました。今日日本でも少しずつですが、人気は高まってきています。
<サムライ> ”Samurai for Wind Band”
演奏:ロイヤル・ノーザン大学ウィンド・オーケストラ |
指揮:T.レイニッシュ |
サムライは1995年に浜松で行われたWASBEの総会で「ロイヤル・ノーザン大学ウィンドオーケストラ」が演奏するためにこの曲は書かれました。まさしく日本の武士道をモチーフとした作品になっています。(映画「ラスト・サムライ」とは関係ありませんが、聞いてみてください) 曲は3つの楽章から構成されていて、1.「戦いの合図と旗」、2.「出陣式」、3.「攻撃」からなっています。約12分というそれほど長くない曲です。全体を通じていえる事は決まった旋律が無い事。これを聴いてみたいと思っている人の中で、自分はメロディを重視するって言う人がいましたら聞くのをやめておいた方が良いかもしれません。つまらない12分が過ぎ去る事でしょう。しかし、メロディよりも新鮮さを重視して聞きたいという人でしたら、この曲は是非オススメです。特に打楽器奏者の方(私も・・。)は、聞かないと損ですよ。この曲はある意味、パーカッション奏者の為にあるような曲かもしれません。「攻撃」のシーンでは、打楽器の絡み合いがすごい!そしてクライマックスは打楽器が独占!演奏者は掛け声とともにこの曲に終止符を打ちます。 |
<ブレイキング・ザ・センチュリー> ”Breaking the Century”
演奏:ロイヤル・エア・フォース・セントラル・バンド |
指揮:ロブ・ウィッフィン空軍中佐 |
1998年にブラス・バンドの為に作曲された本作は2001年に吹奏楽用として新たに編曲され、生まれ変わりました。この作品は息もつかぬままのスピードで駆け抜ける作品となっており、メリロの「ゴッドスピード!」と対照的な作品だと言えるかもしれません。コンサートのオープニングやコンクールの自由曲等にもってこいの作品です。 曲は、サムライと同様あんまり決まったメロディがありません。しかしクラークの作品のこういうところが新鮮でいいところ!またまた打楽器は爆発してますが、さすがもとはブラスの曲だけあって、金管も炸裂しています。派手な曲好きは間違いなくハマる曲でしょう。 |